「イッたことがない」と打ち明けるまで
何年も演技を続けた人、思い切って言った人。打ち明けたあとに何が起きたかを追います。
「一度もない」という状態を抱えたまま、何年も過ごしている人がいます。そして多くの場合、相手はそれを知りません。
打ち明けるまでに何が起きていたか、打ち明けたあとに何が変わったかを整理します。
打ち明けられない理由
理由1:相手を傷つけたくない。 今まで良かったことにしてきたぶん、真実を伝えると相手の自信を損なう。この配慮が、多くの場合の出発点です。
理由2:今さら言えない。 期間が長いほど、「なぜ今まで黙っていたのか」という別の問題が生まれる。
理由3:自分に問題があると思っている。 相手の技術の問題ではなく、自分が感じられないだけだと考えている。この場合、言う意味を見出せない。
理由4:言葉が見つからない。 「イッたことがない」という表現しか持っていないため、切り出し方が分からない。
打ち明けなくても変えられる
まず、過去に触れずにやり方を変える方法があります。多くの例で採られていたのがこれです。
- 「もう少しゆっくりのほうが好き」
- 「そこ、もっと」
- 「今日は最後までいかなくていいことにしない?」
これらは告白を含みません。 それでも、条件は変えられます。
特に3つ目が効いた例が多くありました。到達を目標から外すと、演技する理由がなくなるためです。演技をやめるために、まず到達を目標から外すという順序です。
打ち明けた場合に起きたこと
実際に伝えた例では、次のような反応がありました。
反応A:ショックを受けたが、その後協力的になった。 もっとも多いパターン。最初は落ち込むが、具体的な希望を同時に伝えると、対処に向かう。
反応B:安心された。 「うすうす感じていた」と言われた例。演技が伝わっていたことに、打ち明けた側が驚く。
反応C:責められた。 「なぜ嘘をついていたのか」と怒られた例。この場合、伝え方に「あなたのせいではない」が含まれていなかったことが多い。
反応D:何も変わらなかった。 伝えたが、行動が変わらなかった。この場合は、より具体的な希望を伝える必要があります。
伝え方の型
反応Cを避けるための要素は、3つです。
- 相手の責任にしない(「あなたが下手だからじゃない」)
- 具体的な希望をセットで出す(「こうしてほしい」)
- 謝罪を求めない・しすぎない(重い場にしない)
「今まで言えてなかったんだけど、実はまだ到達したことがなくて。あなたのせいじゃなくて、たぶん時間とか力の抜き方の問題。もう少しゆっくりやってみたい」
「たぶん○○の問題」という仮説を添えると、責任追及の場になりません。
一人の時間から始めた例
打ち明ける前に、まず一人で条件を探した例が多くありました。理由は明確です。
- 時間の制限がない
- 見られていない
- 場所と強さを自分で調整できる
- 相手を待たせていない
一人で到達の条件が分かると、それをそのまま相手に伝えられます。 「こういうふうに」が具体的になるため、伝達の精度が上がります。
変化に必要だった時間
打ち明けたからといって、すぐに変わるわけではありません。
多くの例で、変化には数か月かかっています。条件を探し、伝え、試し、また調整する。この反復が必要でした。
その間、失敗として記録されないことが重要でした。到達を毎回の目標にしていた例では、この反復が続かず、途中で諦めています。
到達しないまま続いている例
一方で、打ち明けたあとも到達していない例もあります。
ただし、その多くが「以前より満足している」と語っています。理由は、
- 演技をしなくてよくなった
- 痛みや不快を我慢しなくてよくなった
- 希望を言えるようになった
到達の有無より、我慢がなくなったことのほうが、満足度への影響が大きかった。
これがおそらく、この話のいちばんの結論です。
よくある質問
今さら言えません。
過去のことに触れずに、これからの希望だけを伝える方法があります。「実はずっと」と言わなくても、やり方は変えられます。
言ったら相手が傷つきませんか?
伝え方によります。「あなたが下手だから」ではなく「自分のからだの条件」として伝えると、責任の押し付けになりません。
一人でも到達したことがありません。
一人の時間のほうが条件を整えやすいため、そちらから始めるのが現実的です。時間制限がなく、評価もなく、場所と強さを自分で調整できます。
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