食事制限を始めてから乾くようになった|脂質と水分の話
潤滑が足りない原因は年齢やホルモンだけではありません。極端な食事制限が背景にあるとき、対処の方向はまったく変わります。
この記事は一般的な情報提供であり、診断・治療にあたるものではありません。痛み・出血・発熱・強い不安など気になる症状があるときは、自己判断せず婦人科を受診してください。
潤いが足りないという悩みは、年齢や閉経に結びつけて語られがちです。けれど20代や30代でも起きますし、そのきっかけが食事の変え方であることは珍しくありません。
原因が違えば対処も変わります。ここを取り違えると、必要のない不安を長く抱えることになります。
極端な制限で起きること
減量のために脂質をほぼ摂らない、主食を完全に抜く、一日の摂取量を大きく削る。こうした方法を数か月続けると、体はエネルギーの配分を変えます。
生殖に関わる働きは後回しにされる側です。周期が乱れ、ホルモンの環境が変われば、粘膜の状態にも影響が出ます。乾きは、単独の症状ではなく全体の一部として出てきます。
同時に起きやすいのは次のものです。
- 生理が遅れる、止まる
- 髪が細くなる、抜ける
- 肌が乾燥して荒れる
- 手足が冷える
- 気分が上がらない
このリストに複数当てはまるなら、局所のケアだけでは足りません。
他の原因を消していく
もちろん、食事だけが原因とは限りません。原因の全体像は乾きの悩みにまとめています。よくある背景を並べます。
| 背景 | 見分け方 |
|---|---|
| 極端な食事制限 | 減量を始めた時期と一致する |
| 授乳中 | 出産後で、授乳が続いている |
| 更年期の変化 | 40代後半以降、ほてりなども伴う |
| 薬の影響 | ピル、抗ヒスタミン薬、一部の抗うつ薬 |
| 前戯の時間 | 時間をかけたときは問題ない |
| 緊張 | 相手や場面によって差がある |
最後の2つは体の問題ではありません。条件によって差があるなら、体そのものより状況の問題である可能性が高くなります。
いま痛くない状態にする
原因を探る作業と並行して、痛みは先に取ってください。我慢を続けると、痛みへの身構えが加わり、原因が解決しても反応が戻らなくなります。
- 潤滑剤を使う(水を基剤にしたものがコンドームとも合わせやすい)
- 前戯の時間を延ばす
- こする動きより、押す動きから始める
- 痛みが出たら止める、を二人の合意にしておく
選び方は潤滑ゼリーの選び方と使いどころにまとめています。潤滑剤の使用に抵抗を覚える人がいますが、足りないものを足しているだけです。使わずに痛い思いをするほうが、関係にとっては損失が大きくなります。
相手にどう伝えるか
乾いていることを、気持ちがないという意味に受け取られると話がこじれます。実際には、心とからだの反応が一致しないことは普通に起きます。
伝えるなら、原因の話にしてください。「体調で乾きやすくなっているから、これを使いたい」。この一文で足ります。気持ちの話にせず、条件の話にすると、相手も対応しやすくなります。
黙って我慢して痛みに耐えるほうが、関係にとっては損失が大きい。次の機会に身構えが加わり、条件がさらに悪くなります。
受診したほうがいい場合
次のときは相談してください。
- 潤滑剤を使っても痛い
- ヒリヒリする、しみる、かゆみを伴う
- 出血がある
- 3か月以上生理が来ていない
- 排尿のときにも違和感がある
炎症や感染が背景にあることもあり、これは食事や潤滑剤では解決しません。繰り返しているなら、一度確かめるほうが早く終わります。
減量の設計をやり直す
原因が食事制限にあるなら、目標そのものを見直す段階です。速度を落とし、脂質をゼロに近づけず、運動した日はその分を食べる。
体重を落とすことは、健康のための手段だったはずです。手段のために不調が増えているなら、順序が入れ替わっています。数字は少し遅れて達成しても、失うものはありません。
よくある質問
脂質を摂れば潤いは戻りますか?
極端に脂質を削っていた人が適量に戻すと、体調全体が変わることはあります。ただし食事だけで乾きが解決すると断言はできません。痛みがあるなら潤滑剤を併用し、続くなら受診してください。
水をたくさん飲めば改善しますか?
脱水があるなら水分は必要ですが、飲む量を増やせば潤滑が増えるという関係ではありません。過剰に飲んでも体外に出るだけです。
潤滑剤を使うのは、体に問題があるということですか?
違います。年齢や体調にかかわらず、使うことで痛みなく過ごせるなら合理的な選択です。医療の場でも使用が勧められる場面があります。