ジムで感じる視線と、撮影のこと|自衛と相談先
器具の使い方を教えるという名目の接触、更衣室での撮影、鏡越しの視線。気にしすぎと片づける前に、法律がどこに線を引いているかを知っておいてください。
この記事は行為をすすめるものではありません。相手や第三者の同意がない行為、公共の場での行為は法律に触れる場合があります。空想と実行は切り分けて読んでください。
トレーニング施設は、体の線が出る服装で、鏡が多く、更衣室があり、スマートフォンの持ち込みが自由な場所です。
不快な思いをしても、自意識過剰だと自分を疑わせる構造があります。ここでは、判断のための線を先に置いておきます。
段階で分ける
| 段階 | 内容 | 対応 |
|---|---|---|
| 不快 | 視線が長い、話しかけが多い | 時間帯を変える、器具の場所を変える |
| 越えている | 同意のない接触、性的な発言 | 施設へ書面で申し入れる |
| 犯罪になりうる | 性的な部位への接触、撮影 | 警察・相談窓口へ |
真ん中の段階で我慢し続けると、下に進むことがあります。時間帯を変えるのは負けではなく、コストの低い対処です。
撮影について
隠して撮影する行為は、令和5年に成立した法律で扱われています。長い名称の法律ですが、通称として撮影罪と呼ばれます。
以前は各都道府県の条例で扱われ、場所や状況によって適用が変わっていました。現在は全国共通の法律として規定されています。同じ論点はヨガスタジオで感じる視線でも起きます。
疑いを持ったときの手順です。
- その場で相手を問い詰めない(証拠が消される、逆上される)
- スタッフを呼ぶ
- 日時・場所・相手の特徴・使っていた機器を書き残す
- 目撃者がいれば、その人の存在も記録する
- その場で削除させて終わりにしない
最後が重要です。削除で終わらせると、次の被害が続きます。
触れられることについて
フォームの指導として体に触れる場面はあります。ただし、事前に断りを入れる、触れる場所を限る、断れる余地を残すという運用が一般的です。
同意のない性的な接触は、刑法の不同意わいせつ罪に当たりうる行為です。令和5年の改正で、同意しない意思を形成・表明・全うすることが難しい状態を利用した場合が含まれることが整理されました。
指導者と会員という関係では、その場で断るのが難しくなります。言えなかったことは、同意ではありません。
自衛としてできること
不快な思いをする確率を下げる工夫も、現実的な手段です。
- 混雑する時間帯を選ぶ(人目があるほうが安全な場面がある)
- 更衣室では貴重品と着替えを短時間で済ませる
- 個別指導は、密室でない場所を選ぶ
- 施設のカメラの設置状況を確認しておく
- 合わないと感じたら、契約を続けない
自衛は被害者の義務ではありません。ただ、選べる範囲は使ったほうが消耗が少ないという実際的な話です。
あとから響いてくること
その場では平気だったのに、あとから思い出して気持ち悪くなる。これはよくある反応です。
人に見られる場所で体を動かすこと、更衣室で着替えること、そして性的な場面で人前に体をさらすこと。これらは頭の中で結びつきます。ジムでの出来事のあと、パートナーとの時間だけ身構えるようになった、という相談もあります。
そうなったとき、自分が神経質になったと考えないでください。安全でない経験のあとに警戒が上がるのは、正常な働きです。長く続くようなら、性暴力の相談窓口で扱える範囲に入ります。回復の道すじはつらい記憶が性に影を落とすときで扱っています。
相談先
目的別に分けておきます。
- 行為そのもの → 警察、またはワンストップ支援センター(短縮番号8891)
- 施設の対応 → 運営会社へ書面で
- 契約の解除や返金 → 消費生活センター
複数に同時に相談して構いません。深刻度を自分で判定してから相談する必要はありません。判定は相談を受ける側の仕事です。
よくある質問
撮影されたかどうか確信が持てません。
確信がなくても相談できます。日時・場所・相手の特徴を記録し、施設のスタッフに伝えてください。撮影を隠して行う行為については、令和5年に成立した法律で全国共通に規定されています。
フォームの指導で体に触れられるのは普通ですか?
指導として触れる場面はありますが、事前に断りを入れ、触れる場所を限るのが一般的です。断りにくい状況で性的な部位に触れる行為は、不同意わいせつ罪に当たりうるものです。
施設に言っても取り合ってもらえません。
記録が残る形で再度伝えたうえで、警察や相談窓口に相談してください。全国共通の短縮番号8891で、各都道府県の性犯罪・性暴力の相談窓口につながります。