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パートナーとの関係

スキンシップから増やす|行為の前に整える接触

減った接触を戻すとき、いきなり行為に向かうと失敗します。触れることそのものを先に戻すための順番と、誘いに見えない形の作り方を整理します。

夫婦や恋人のあいだで接触が減ったとき、多くの人はまず行為の回数を数えます。しかし止まっているのは、たいてい行為より手前の部分です。

肩が触れない。隣に座らない。眠る前に何もしない。この層が抜け落ちたまま行為だけを戻そうとすると、段差が大きすぎて一度で終わります。

ここでは、行為の前に接触そのものを戻すための順番を整理します。

触れない状態は、放っておくと固まる

接触は、減ったところで止まらずにゼロへ向かいます。

  • 触れないことが普通になる
  • 触れると何かの合図に見えるようになる
  • 合図に見えるから、触れにくくなる
  • さらに触れなくなる

触れることが意思表示として扱われ始めた時点で、気軽さは失われています。 戻す作業は、この意味づけを外すところから始まります。

段差の小さいものから並べ直す

いきなり抱きしめるのではなく、負担の小さい順に並べます。

  1. 同じ側のソファに座る、距離を詰める
  2. 物を渡すときに手が触れる
  3. 肩や背中に一瞬だけ手を置く
  4. 出かけるときと帰ったときに触れる
  5. 眠る前のハグ
  6. 手をつないだまま話す

上から順に、一段ずつ日常へ戻します。 三番目で数週間止まっていても問題はありません。段を飛ばしたときだけ、相手は身構えます。

長く止まっていた二人の全体の順番については、レスから再開するための現実的な手順にも書いています。

誘いに見えない形にする

接触が誘いとして受け取られると、相手は応じるか断るかを判断する立場に置かれます。判断を迫られた側は、安全なほう、つまり断るほうへ倒れます。

そのため、次の条件を満たす場面を選びます。

  • 昼間である
  • 数秒で終わる
  • こちらから先に離れる
  • そのあとは普通の話をする

「今日は寒いね」と言いながら手を握って、すぐ離す

自分から先に離れることが、いちばん効きます。 続きがないと分かっている接触なら、断る必要がそもそもありません。

相手が固まるときに起きていること

触れた瞬間に相手が動かなくなる、避ける、という反応が出ることがあります。

このとき起きているのは拒絶とは限らず、次のどれかであることが多いといえます。

  • 次に何を求められるかを警戒している
  • 断ったときの空気を覚えている
  • 自分のからだに自信がない
  • その日の余裕がない

理由を確かめようとして問い詰めると、接触そのものが話し合いの議題になります。 反応が硬い日は引き、翌日も普通に過ごすほうが早く戻ります。断る側から見た負担は断り方の技術の側からも読めます。

触れることを、目的のままにしておく

戻ってきた接触を、これで次に進めると扱った時点で、また合図に戻ります。

  • 回数を数えない
  • その日にできそうかを測る材料にしない
  • 触れられた日に期待を上乗せしない

接触が接触のままでいられる期間が長いほど、その先も動きやすくなります。 触れられること自体が安心につながる仕組みは、人に触れられると安心するのはなぜかでも扱っています。

それでも触れられないとき

何をしても避けられる、触れると明確に不快を示される。そこまで来ているなら、接触の技術の問題ではありません。

  • 日中の関係に不満が残っていないか
  • 体調や痛みの問題が隠れていないか
  • こちらだけが我慢を積み上げていないか

相手が動くのを待つあいだも、自分の時間は減っていきます。 二人で話せないなら、一人で夫婦の相談窓口を使ってもかまいません。触れられないこと自体を責める必要は、どちらの側にもありません。

よくある質問

手をつなぐことすら不自然になっています。どこから始めればよいですか。

隣に座る、距離を詰めるといった、触れない段階から始めてかまいません。負担の小さい順に並べたとき、いま無理なく続けられる段が出発点になります。前の段に数週間とどまっても遅れではありません。

触れると相手が固まります。嫌われているのでしょうか。

拒絶とは限りません。次に何を求められるかを警戒している、断ったときの空気を覚えている、その日の余裕がない、といった理由のほうが多くみられます。理由を問い詰めると接触自体が話し合いの議題になります。

接触が戻れば、行為も戻りますか。

必ずしも直結しません。ただし接触がゼロのまま行為だけを戻せた例は少ないといえます。戻る保証ではなく、戻れる条件を整える作業として考えるほうが続きます。