不倫願望はなぜ生まれるのか|心理から読み解く
相手が嫌いになったわけではないのに、他に惹かれる。この矛盾には構造があります。責めずに、仕組みとして見ていきます。
この記事は行為をすすめるものではありません。相手や第三者の同意がない行為、公共の場での行為は法律に触れる場合があります。空想と実行は切り分けて読んでください。
不倫願望について語られるとき、話はすぐに道徳に向かいます。しかし当事者にとって切実なのは、「なぜこうなるのか」が分からないことです。
相手を嫌いになったわけではない。それなのに惹かれる。この矛盾を、構造として見ていきます。
愛情と喚起は別系統
まず前提として、愛情と性的な喚起は、必ずしも連動しません。
愛情は安定と結びつき、喚起は不確実性と結びつく傾向があります。関係が安定するほど不確実性は減り、喚起の材料が失われる。つまり、良い関係であることが喚起を減らすという、皮肉な構造が存在します。
「愛しているのに欲情しない」という状態は、愛情が薄れた証拠ではありません。別の軸の話です。
何に惹かれているのかを分解する
「あの人に惹かれている」で止めると、対処のしようがありません。分解すると、たいてい次のどれかです。
1. 自己認識の回復
もっとも多い構造です。
日常の中で、自分は「母」「妻」「社員」として扱われている。その役割の外側で、一人の個人として見られる経験が、強い喚起を生みます。
惹かれている対象は相手ではなく、その人といるときの自分である、というパターン。これは非常に多い。
2. 承認
見られている、選ばれている、望まれている。この感覚が枯渇している状態で供給されると、実際の魅力とは無関係に強く作用します。
3. 新奇性
予測できない相手、知らない情報。長い関係で失われたものが、そこにある。ただしこれは、時間が経てば同じように失われます。
4. 日常への不満の転移
現在の関係への不満が、別の対象への魅力として現れることがあります。この場合、対象は誰でもよく、問題は現在の関係の側にあります。
5. 禁止による増幅
してはいけないという枠が、対象の価値を高めます。枠が外れると、価値も下がることがあります。
分解すると、対処先が変わる
分解する意味は、対処すべき場所が変わることにあります。
| 惹かれている中身 | 実際に必要なもの |
|---|---|
| 自己認識の回復 | 役割の外に出る時間(性とは無関係でよい) |
| 承認 | 関係の中で見られる経験、または別の経路 |
| 新奇性 | 現在の関係の中に変化を入れる |
| 日常への不満 | 不満そのものへの対処 |
| 禁止による増幅 | 時間を置く(枠が外れれば下がる) |
どの行も、「その人と会う」以外の解決策があります。
危険な時期
願望が強くなりやすい時期には、傾向があります。
- 産後・育児期(自分が消えていく感覚)
- こどもが手を離れた時期(役割の喪失)
- 職場での立場が変わった時期
- 相手との会話が業務連絡だけになっている時期
- 自分の外見や年齢の変化を強く意識した時期
共通しているのは、自己認識が揺れている時期です。この時期の判断は、通常より歪みやすい。
気持ちと行動を分ける
繰り返しになりますが、気持ちが湧くことは止められません。 責めても消えません。
止められるのは行動のほうです。そして、行動を選ぶための実用的な方法があります。
- 二人きりにならない(機会を作らない)
- 連絡手段を減らす
- 当事者以外に話す(言葉にすると輪郭が見える)
- 時間を置く(多くの場合、強度は下がります)
- 分解する(何を求めているのかを特定する)
「二人きりにならない」がもっとも確実です。 気持ちで抑えるより、機会を減らすほうが効きます。
空想に置くという選択
行動に移さず、空想として保持するという選択があります。これは我慢ではなく、配置です。
空想の中では、誰も傷つかず、法的責任も生じず、失うものもありません。願望を持っていること自体は、何の問題も起こしません。
現在の関係に返す
最後に。惹かれている中身を分解した結果が「自己認識の回復」や「承認」だった場合、それは現在の関係の中でも供給できる可能性があります。
- 二人で出かける(役割から降りる)
- 関係の話をする
- 見られる経験を作る
遠回りに見えますが、リスクがなく、失うものもない。 試す価値は十分にあります。
よくある質問
願望を持つこと自体が裏切りですか?
気持ちが湧くことと、行動することは別です。惹かれる感情は制御できませんが、行動は選べます。判断の対象になるのは行動のほうです。
相手を愛しているのに、なぜ他に惹かれるのですか。
愛情と性的な喚起は別の系統で動きます。両立しないわけではなく、片方が薄れたからもう片方が生まれるとも限りません。
願望が消えません。
消そうとするより、何を求めているのかを分解するほうが扱いやすくなります。多くの場合、相手そのものではなく状況や自己認識が対象になっています。
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