避妊の選択肢を比較する|確実性と負担で選ぶ
コンドーム、低用量ピル、子宮内避妊具など。それぞれの確実性・負担・向いている人を並べて、自分に合うものを判断できるようにします。
この記事は一般的な情報提供であり、診断・治療にあたるものではありません。痛み・出血・発熱・強い不安など気になる症状があるときは、自己判断せず婦人科を受診してください。
避妊法を選ぶとき、比較すべき軸は3つあります。確実性・負担・感染症予防です。1つの方法で3つすべてを満たすものはありません。
主な方法の整理
| 方法 | 確実性 | 感染症予防 | 主な負担 |
|---|---|---|---|
| コンドーム | 使い方に左右される | あり(唯一) | 毎回必要。相手の協力が前提 |
| 低用量ピル | 正しく飲めば高い | なし | 毎日の服用、定期受診、費用 |
| 子宮内避妊具(IUD/IUS) | 高い | なし | 挿入処置が必要。数年単位で継続 |
| 避妊インプラント等 | 高い | なし | 国内での入手性が限られる |
| 基礎体温・周期法 | 低い | なし | 記録の手間。単独では推奨されない |
| 膣外射精 | 避妊法とみなさない | なし | ― |
いちばん大事な行は最後の2つです。周期法と膣外射精は、避妊法として頼れません。 ここを勘違いしたままの人が、いまも少なくありません。
感染症予防はコンドームだけ
上の表で見落とされやすいのが、感染症予防の列です。ホルモン避妊法や子宮内避妊具は、妊娠を防ぐ効果はあっても、感染症は一切防ぎません。
そのため、実際の選択としては次のような組み合わせになります。
- 相手が固定されておらず、検査もしていない → コンドームは必須
- 相手が固定されていて、双方が検査済み、確実性を上げたい → ホルモン避妊法+必要に応じてコンドーム
「ピルを飲んでいるからコンドームは要らない」は、避妊としては成り立っても、感染症の観点では成り立ちません。
低用量ピルについて
避妊以外の効果として、月経困難症の軽減、経血量の減少、周期が安定するといった点が挙げられます。これらを主目的に処方されることもあります。
一方で、次の点は事前に理解が必要です。
- 飲み始めに吐き気や不正出血が出ることがある(多くは数か月で落ち着くとされます)
- 血栓症のリスクがあり、喫煙者や特定の持病がある人は使えない場合がある
- 毎日、決まった時間に飲む必要がある
- 定期的な受診が必要
自己判断で人からもらって飲む、といったことは絶対に避けてください。 使えない条件があるからこそ、診察が必要です。
子宮内避妊具(IUD/IUS)
一度入れると数年間持続する方法です。毎日の管理が不要で、確実性が高いことが利点です。
一方、挿入時の痛み、挿入後の出血や痛み、出産経験の有無による適応の違いなどがあります。「毎日の管理が続かない」「長期的に妊娠の予定がない」人には有力な選択肢になります。
選ぶときの質問
自分に合うものを決めるために、次を考えてみてください。
- 感染症予防は必要な状況か
- 毎日の服用を続けられるか
- 定期的な通院は可能か
- 費用はどこまで許容できるか
- 相手の協力を前提にできるか
- 妊娠を望む時期はいつ頃か
5が重要です。相手の協力に依存する方法は、相手が協力しない状況では機能しません。 自分だけで管理できる方法を1つ持っておくことには、意味があります。
失敗したときのために
避妊がうまくいかなかった場合には、緊急避妊薬という選択肢があります。時間との勝負になるため、どこで入手できるかを事前に調べておくことをおすすめします。詳細は緊急避妊薬の記事で扱います。
相談は婦人科で
選択肢の比較は、持病・年齢・喫煙・妊娠希望の時期によって変わります。ここに書いた内容は判断材料であって、処方の可否を決めるものではありません。
「避妊の方法を相談したい」で受診してかまいません。日本産婦人科医会のQ&Aでも避妊は扱われている一般的な相談テーマです。
よくある質問
コンドームだけで十分ではないのですか?
感染症予防の観点では重要ですが、避妊の確実性としては使い方に左右されます。確実性を上げたい場合は、ホルモン避妊法などとの併用が選択肢になります。
外に出せば大丈夫ですか?
避妊法として信頼できません。射精前の分泌液にも精子が含まれうるとされ、タイミングの制御も不確実です。避妊の手段として数えないでください。
生理不順もあります。ピルは使えますか?
月経困難症や周期の乱れに対して処方されることもあります。ただし持病や喫煙習慣によって使えない場合があるため、必ず医師の診察を受けてください。