痩せて生理が止まった|楽になったと思ってはいけない理由
面倒がなくなったと感じる人もいますが、止まっている状態は体からの警告です。放置した期間の長さが、あとで効いてきます。
この記事は一般的な情報提供であり、診断・治療にあたるものではありません。痛み・出血・発熱・強い不安など気になる症状があるときは、自己判断せず婦人科を受診してください。
生理が止まったとき、正直なところ「楽になった」と感じる人がいます。毎月の不調も出費もなくなるからです。
けれど、減量に伴って止まった生理は、体が節約に入った合図です。放置するとあとで支払う分が大きくなります。
何が起きているのか
食べる量に対して活動量が多い状態が続くと、脳から出るホルモンの指令が抑えられます。その結果、卵巣への信号が弱まり、周期が乱れ、やがて止まります。
スポーツの分野では、この流れが早くから注目されてきました。利用可能なエネルギーの不足が起点となり、無月経が起き、その状態が続くと骨の密度が下がる。この三つのつながりが整理されており、10代のうちに骨の問題が出てしまう例も報告されています。
つまり、止まっているのは生理という現象だけではないということです。
放置した期間が、あとで効く
問題は、止まっている期間に起きます。
| 期間 | 起きうること |
|---|---|
| 数か月 | 戻る可能性が高い。ここで気づけるのが理想 |
| 半年から1年 | 戻るまでに時間がかかりやすくなる |
| 数年 | 骨の密度など、戻しにくいものが出てくる |
骨が作られる時期は限られています。その時期に作られなかった分は、あとから同じようには取り戻せません。将来の疲労骨折や、閉経後の状態に関わってきます。
性の面に出ること
止まっている状態では、性に関する変化も同時に起きやすくなります。
- 欲求が起きない
- うるおいが足りず、痛みが出る
- 気分が沈み、触れられることが煩わしい
これらは性欲がなくなったと感じたらや乾きの悩みとして別々に相談されることが多いのですが、根が一つのことがあります。婦人科で話すときは、生理のことと合わせて伝えてください。恥ずかしい情報ではなく、原因を絞るための材料です。
受診で何をするのか
行きにくさの正体は、何をされるかわからないことです。受診の流れは婦人科に行くのが怖いに詳しく書いています。おおまかな流れを書いておきます。
- 問診(いつから止まったか、体重の変化、運動量、食事の内容、ストレス)
- 妊娠の可能性の確認
- 血液検査(ホルモンや甲状腺の状態を見る)
- 必要に応じて超音波検査
体重の変化と食事の内容は、正直に伝えるほど話が早く進みます。責められる場ではありません。原因が減量にあるとわかれば、対処もそこから始まります。
周りの言葉に足を引っ張られない
この状況で厄介なのは、周囲の反応です。「うらやましい」「楽でいいね」と言われることがあり、深刻さが伝わりません。
競技やダンスなど、体重が評価に直結する環境にいる場合はさらに難しくなります。止まっていることが、仕上がっている証拠のように扱われる場面すらあります。
けれど骨の状態は、あとから同じようには取り戻せません。周囲の評価は今のもの、骨は数十年先まで持ち歩くものです。判断の材料として、比べる対象が違います。
戻すときの考え方
治療としてホルモンを補う方法が示されることがありますが、同時に必要なのは食べる量を戻すことです。薬だけで根本が変わるわけではありません。
- 減量の目標をいったん止める
- 運動量を落とすか、食事量を増やす
- 体重ではなく、周期が戻るかどうかを指標にする
3つ目が難しいところです。数字が増えることへの抵抗は簡単には消えません。それでも、体重計の数字は自分で決められますが、周期は自分では決められません。決められないほうが優先されるべき指標です。
よくある質問
どのくらい来なかったら受診すべきですか?
妊娠の可能性がない状態で3か月以上来ない場合は、原因を確かめてください。もともと不順な人でも、以前の自分の周期と比べて明らかに変わったなら相談する理由になります。
体重を戻せば自然に再開しますか?
再開する人は多いのですが、すぐとは限りません。数か月かかることもあります。また、体重が戻っても食事量が足りていなければ再開しないことがあります。
生理がないあいだは妊娠しませんか?
そう言い切ることはできません。排卵が先に起こる場合があるため、避妊が不要になるわけではありません。妊娠を望まないなら避妊は続けてください。