最中に希望を伝える方法|言葉と手の使い方
言葉にすると雰囲気が壊れる、という思い込みが遠回りを生みます。壊さずに伝える方法は、いくつもあります。
最中に希望を伝えられないまま、何年も同じことが繰り返される。この状況は非常によくあります。
原因は「言うと雰囲気が壊れる」という前提です。しかし、我慢して合わない刺激を受け続けるほうが、はるかに雰囲気を壊しています。
方法1:手で誘導する
言葉を使わない方法として、もっとも実用的です。
- 相手の手に自分の手を重ねて動かす
- 位置をずらす
- 圧を伝える(自分から押しつける/引く)
手を重ねる動作は、指示ではなく参加として受け取られます。 拒否感が出にくく、そのぶん受け入れられやすい。
方法2:身体で示す
- 動きを合わせる/合わせない
- 姿勢を変える
- 呼吸を変える
- 力を抜く/入れる
これらは無意識に読み取られています。意識的に使えば、明確な情報になります。
方法3:短い言葉
言葉を使う場合、短さが重要です。長い説明は場面を止めます。
有効な形。
- 「そこ」
- 「もっとゆっくり」
- 「軽く」
- 「そのまま」
- 「上」「下」
方向と程度だけを伝える。 理由や説明は不要です。
否定形を使わない
これが最大のコツです。
| 萎縮させる | 調整できる |
|---|---|
| そこじゃない | もう少し上 |
| 痛い(強い口調で) | もう少し軽く |
| 違う | こっち |
| 下手 | ゆっくりのほうが好き |
否定は情報量がゼロで、ダメージだけがあります。 方向を示せば、相手は動けます。
例外は痛みです。痛みが出たときは、明確に止める必要があります。 ここは遠慮しないでください。
良かったときにも伝える
修正だけを伝えると、相手には「いつも直されている」記憶しか残りません。
良かったときに反応を返すほうが、定着が早い。
- 「それ、いい」
- 息や声の変化を隠さない
- 身体を寄せる
肯定のフィードバックがあると、相手は探索を続けられます。 何も返ってこないと、相手は自分が正しいのか判断できず、無難な範囲に留まります。
事前に合図を決める
言葉を出しにくい人には、事前の取り決めが有効です。
- 手を2回叩いたら「もっと軽く」
- 手を握ったら「そのまま」
- 特定の言葉を「止めて」の合図に
一度決めておけば、以後は説明なしで機能します。
相手に聞かれたとき
「どう?」「気持ちいい?」と聞かれたときに、反射的に「うん」と答えてしまう人は多い。
ここで正直に答えられるかどうかが、その後を分けます。「もう少しゆっくりがいい」と答えても、関係は壊れません。
むしろ、毎回「うん」と答えていると、相手はそのやり方が正解だと学習します。何年も同じことが続く原因の多くは、ここにあります。
相手が変えてくれないとき
伝えても変わらない場合、いくつか原因が考えられます。
- 一度に多くを伝えすぎている
- 最中にだけ伝えていて、後で共有していない
- 相手が緊張して余裕がない
- そもそも聞く姿勢がない
最後の場合を除けば、伝え方の調整で改善します。 最中ではなく、日中の会話で一度共有しておくと、当日の負担が減ります。
伝えることは共同作業
希望を伝えることは、相手を評価する行為ではありません。二人で条件を探す作業です。
この枠組みが共有されていれば、指摘は攻撃になりません。まずその枠組みを作るところから始めるのが、遠回りに見えて早い道です。
よくある質問
指示すると相手が萎縮しませんか?
否定形が続くと萎縮します。「そこじゃない」より「もう少し上」のように方向で伝えると、萎縮せずに調整できます。
声を出すのが恥ずかしいです。
言葉以外の方法があります。手を添えて誘導する、身体の動きで示す、事前に合図を決めておく。どれも有効です。
言っても直りません。
一度に複数を伝えていませんか。1回につき1つ、しかも短く。加えて、良かったときに反応を返すと定着が早くなります。
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