誘うのはいつも自分|非対称な関係に疲れたとき
誘う側が固定されると、断られるたびに自分の価値まで採点されます。役割の偏りをほどく考え方を整理します。
誘うのがいつも自分の側だと、回数を重ねるほど関係が採点の形に近づいていきます。断られるたびに減っていくのは機会ではなく、こちらの自尊心のほうです。
問題は誘われないことよりも、役割が固定されていることにあります。 固定された役割は、双方にとって動きにくいものになります。
固定されると何が起きるか
誘う側と誘われる側が入れ替わらないまま続くと、次のようになります。
- 誘う側は、断られた回数を記録し始める
- 誘われる側は、断ることに罪悪感を持つようになる
- どちらも、誘いを「要求」として扱うようになる
- 結果として、話題そのものを避けるようになる
避け合いが始まると、頻度ではなく会話の量が落ちます。 ここまで来ると、原因が何だったのかも分からなくなります。
相手が誘わない理由は一つではない
誘ってこない側にも、いくつか別の背景があります。
- 誘い方が分からない
- 過去に断られた記憶がある
- こちらが誘ってくれるので、その必要がない
- 疲労や体調で余力がない
- 関係そのものに引っかかりがある
3番目は本人も自覚していないことがあります。役割が決まっているほど、相手はそこから動く理由を持ちません。 理由の切り分け方は彼氏が求めてこないにまとめています。
数えるのをやめる
誘った回数と断られた回数を記録し始めた時点で、誘いは交渉になります。
- 回数を数えない
- 断られたことを、自分の価値の評価として保存しない
- 相手の反応で翌日の気分が決まる状態を、そのままにしない
数えたくなること自体が、疲れているという合図です。 その合図を無視して続けると、あとで一気に言葉が出ます。求められることと自己評価の結びつきは求められたい気持ちと自己肯定感で詳しく書いています。
役割の話として伝える
伝えるとき、頻度の話にすると要求になります。役割の話にすると事実の共有になります。
「いつも私からだよね。少しは誘ってよ」
これは相手に反論を探させます。
「いつも自分から声をかける側なのが、正直しんどくなってきた」
責任ではなく、自分の状態として言うこと。 その場で返事を求めないことも同じです。言葉にしないで伝える方法は誘い方がわからないでも扱っています。
誘いの形を変えてみる
誘われる側が動きにくいのは、誘いが決断を求める形になっているからかもしれません。
- 予定として先に置く(今週末は二人の時間、とだけ決める)
- 行為以外の接触から始める形にする
- 断りやすい言い方にして、断られても態度を変えない
断りやすいほど、次も誘えます。 逆に、断ったあとに態度が変わると相手は誘い返す余裕をなくします。 そして、断りやすい関係のほうが、相手から声がかかる余地も生まれます。
それでも変わらないとき
伝えても、形を変えても、役割が動かないことはあります。そのときに考えるのは、頻度ではなく関係の続け方です。
- この形のまま続けられるのか
- 続けるなら、自分の側で何を手放すのか
- 手放せないなら、いつまで待つのか
期限を決めるのは相手を試すためではありません。終わりの見えない待機が、いちばん人を消耗させるからです。
相手が動くのを待つあいだも、こちらの時間は減っていきます。 一人で結論が出ないときは、カップル向けの相談窓口を使う選択肢もあります。二人で行けないなら、一人で相談してもかまいません。
よくある質問
一度誘うのをやめてみるべきでしょうか。
状況の確認としては有効ですが、罰として使うと関係が硬くなります。試すなら期間を決め、結果をどう受け取るかも先に決めておいてください。
誘われないのは、自分に魅力がないからでしょうか。
そう結びつけたくなりますが、相手側の事情であることのほうが多くあります。自分の価値の評価として引き受けると、確かめる前に消耗します。
疲れたと伝えると、相手を責めることになりませんか。
責任の話にすると責めになりますが、自分の状態として伝えるなら別です。役割が固定されていてつらい、という事実を共有するところから始めてください。
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