断れない関係で断る|支配的なパートナーへの対処
断ると不機嫌になる相手には、断り方の工夫だけでは足りません。安全を優先した線の引き方と公的な相談先を整理します。
この記事は行為をすすめるものではありません。相手や第三者の同意がない行為、公共の場での行為は法律に触れる場合があります。空想と実行は切り分けて読んでください。
断り方の工夫でどうにかなる関係と、そうでない関係があります。断ったあとに不機嫌が続く、無視される、責め続けられる。この状態では、言い方を変えても結果は変わりません。
問題は表現ではなく、断ることに罰がつく構造のほうにあります。ここを取り違えると、自分の伝え方が悪いのだと考え続けることになります。
まず、構造を見分ける
次のいくつかに心当たりがあるなら、対等な話し合いの段階を越えている可能性があります。
- 断ると数日にわたって態度が変わる
- 断った理由を何度も説明させられる
- 「愛情がない証拠だ」と結論を出される
- 応じたあとだけ機嫌がよくなる
- 誰に相談するかを制限される
応じたときだけ平穏が戻る関係では、同意が選択ではなくなっています。 同意の考え方そのものは夫婦・恋人間の同意で扱っています。
断り方は変えられる範囲で変える
安全が確保できている段階なら、負担を減らす工夫は使えます。
- 理由を長く説明しない(理由は反論の材料になります)
- 提案の形にする(「今日は無理、週末なら」)
- その場で議論しない(「今は話せない」で切る)
理由を増やすほど交渉が長引きます。 具体的な言い回しは断り方の技術にまとめています。ただし、これは相手が話の通じる状態にあるときの方法です。
記録を残しておく
不機嫌や責め立てが続くなら、いつ何があったかを自分用に残しておいてください。
- 日付と、その日に言われたこと
- 断ったあと何日続いたか
- 体調や生活への影響
- 誰かに話した日と、その相手
残す場所は、相手が見られない場所にしてください。共有の端末や、家に置いたままの紙は避けるほうが安全です。記録の目的は相手を追い詰めることではありません。相談するとき、自分の記憶だけでは説明が難しくなるからです。 続いていることを自分自身が過小評価しないための材料でもあります。長く同じ関係の中にいると、何が普通で何が普通でないかの基準が動きます。書いたものを後から読み返すと、その動きに気づけることがあります。
公的な相談先を先に確保する
配偶者暴力相談支援センターは、都道府県が設置している窓口です。相談やカウンセリング、緊急時の安全確保や一時保護、自立支援の情報提供、保護命令制度の説明などを行っています。
- 全国共通の電話番号「#8008」にかけると、近くの配偶者暴力相談支援センターにつながります
- 通話料がかかり、一部の回線ではつながらないことがあるとされています
- その場合は各センターに直接連絡する方法があります
夜間や休日にすぐ話したいときは、内閣府の「DV相談+」があります。
- 電話 0120-279-889 は24時間受付で、通話料はかかりません
- チャット相談は12時から22時まで受け付けています
- チャットは10か国語に対応しています
時間帯で使い分けられる窓口を、両方とも控えておいてください。 相談したくなる時間は、窓口が開いている時間とは限りません。
法律では、配偶者からの暴力には身体に対する暴力だけでなく、これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動も含まれるとされ、婚姻の届出をしていなくても事実上婚姻関係と同様の事情にある場合が対象に含まれます。相談は、被害を証明できてから行うものではありません。
それでも動けないとき
離れることが今すぐ選べない事情は、たくさんあります。生活、子ども、収入、住む場所。動けないこと自体を責める必要はありません。
その段階でできるのは、状況を一人で抱えないことです。窓口の電話番号を知っているというだけでも、次の判断は変わります。 過去のできごとが今の反応に影を落としていると感じるときは、つらい記憶が性に影を落とすときも参考にしてください。身の危険を感じるときは、迷わず警察に連絡してください。
よくある質問
暴力を受けているわけではないので、相談してよいのか迷います。
法律上の配偶者からの暴力には、身体への暴力だけでなく、それに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動も含まれるとされています。相談は被害を証明してから行うものではありません。迷う段階で相談してかまいません。
断ると不機嫌になるので、応じたほうが早いと思ってしまいます。
その場は収まりますが、断れなかった記録が積み重なり、次はもっと断りにくくなります。応じるかどうかより先に、安全を確保できる相談先を持っておくことを優先してください。
結婚していない相手でも相談できますか。
法律では、婚姻の届出をしていなくても事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含むとされています。まずは電話で状況を話し、使える窓口を教えてもらうところから始めてください。