減量中に性欲が落ちるのはなぜか|エネルギー不足という視点
ダイエットを始めてから、そういう気分にならなくなった。意志の問題ではなく、体が優先順位を変えた結果として説明がつきます。
この記事は一般的な情報提供であり、診断・治療にあたるものではありません。痛み・出血・発熱・強い不安など気になる症状があるときは、自己判断せず婦人科を受診してください。
体重を落とすために食事を減らし、運動を増やす。数字は順調に減っているのに、そういう気分がまったく起きなくなった。この相談は珍しくありません。
意志が弱くなったわけでも、相手への気持ちが冷めたわけでもありません。体が、使えるエネルギーの配分を変えているだけです。
生殖に関する働きは、後回しにされる
使えるエネルギーが不足すると、体は優先順位をつけます。生命維持に直結する働きが優先され、後回しにされるものの中に、生殖に関する働きが含まれます。
スポーツの領域では、この状態が早くから問題として扱われてきました。利用可能なエネルギーの不足、無月経、骨の弱化を結びつけた考え方が知られており、国際的にはスポーツにおける相対的エネルギー不足という枠組みでも整理されています。始まりは、運動量に食事が追いついていないことだとされています。
競技者だけの話ではありません。運動量そのものの目安は運動習慣と欲求の関係に、周期との関係は生理周期と性欲の波にまとめています。仕事をしながら運動量を増やし、同時に食事を減らしている人の体は、同じ計算をしています。
出ているサインを数える
性欲の低下は、単独で起きるより、他のサインと一緒に来ます。
| サイン | 意味 |
|---|---|
| 生理が遅れる・止まる | 影響がはっきり出ている段階 |
| 常に寒い、手足が冷える | 消費を抑えにかかっている |
| 髪が抜ける、肌が荒れる | 後回しにされた働きの一部 |
| 眠りが浅い、寝つけない | 回復が追いついていない |
| 何をしても気分が上がらない | 余力が尽きている |
当てはまる数が多いほど、性欲だけを取り戻す方法はありません。減らし方そのものを変える必要があります。
やめるべきは運動ではなく、減らし方
ここで多くの人が「運動をやめたほうがいいのか」と考えますが、逆です。
厚生労働省の身体活動・運動ガイドが示しているのは、成人に対して歩行と同等以上の身体活動を1日60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日という水準です。この程度の活動は、健康を支える方向に働きます。
問題になるのは、活動量の増加に対して食べる量が追いついていないときです。調整するのは、多くの場合こちらです。
- 減量の速度を落とす(月に体重の数パーセント以内を目安にする)
- 運動した日は、その分を食べる
- 主食を完全に抜く方法を長期間続けない
- 脂質をゼロに近づけない
最後の2つは、ホルモンの材料や周期に関わる部分です。極端な制限ほど、性の面に早く出ます。
体重が落ちても、関係は良くならないことがある
痩せれば自信がついて関係も良くなる、という期待は自然なものです。けれど実際には、減量中は余力がないため、求められることが負担に感じられる時期が来ます。
このずれは、相手には伝わりません。痩せてきれいになったのに応じてくれない、という受け取られ方をすることもあります。説明できる言葉を持っておくと、無用な誤解を避けられます。「今は体力を削っている時期だから」で十分です。
止まった生理を放置しない
3か月以上生理が来ない場合は、体重の増減にかかわらず婦人科で相談してください。詳しくは痩せて生理が止まったで扱っています。ダイエットが原因だと自分でわかっていても、確かめる価値があります。
止まっている期間が長いほど、戻るまでも長くかかります。骨の状態にも関わるため、若いうちほど早めに手を打つ意味があります。減量の目標は、あとからいくらでも立て直せます。
よくある質問
どのくらいの減量なら影響が出ませんか?
一律の数字はありません。目安として、運動量が増えているのに食事量を減らしている状態が続くと影響が出やすくなります。生理の乱れ、強い疲労感、寒がりになるなどのサインが出たら、その減らし方は速すぎます。
体重が戻れば性欲も戻りますか?
戻る人は多いのですが、時間がかかることがあります。とくに月経が止まっていた期間が長いほど、回復にも時間がかかる傾向があります。早めに食事量を戻すほうが結果的に近道です。
痩せてから相手に求められるようになったのに、自分の気持ちがついてこないのはなぜですか?
減量中は体の余力が減っており、求められることが負担に感じられやすくなります。また、体型を評価される感覚が強まると、性の場面が採点の場のようになります。どちらもよくある反応です。
参考・出典
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