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からだと反応のしくみ

ジムに通い始めたら欲求が戻った、という話をどう読むか

運動で性欲が上がるという説明はよく見かけます。実際に何が起きているのかを、期待できる部分とできない部分に分けて整理します。

この記事は一般的な情報提供であり、診断・治療にあたるものではありません。痛み・出血・発熱・強い不安など気になる症状があるときは、自己判断せず婦人科を受診してください。

ジムに通い始めてから、久しぶりにその気になった。こうした話はよくあります。同時に、半年通っても何も変わらないという人もいます。

この違いを説明するために、運動が何に効いていて、何には効いていないのかを分けて考えます。

効いているのは、間にあるもの

運動が性欲に直接作用する、という単純な経路ではありません。あいだにいくつかの要素が入っています。

経路起きること
睡眠寝つきと深さが変わり、余力が戻る
気分落ち込みが軽くなり、関心が外に向く
血流全身の循環が変わる
自己像自分の体を否定的に見る時間が減る
体力途中でつらくならない

つまり、性欲そのものではなく条件のほうが動いている。だから、条件が問題ではなかった人には変化がありません。

公的に言えるのはここまで

厚生労働省の身体活動・運動ガイドが示しているのは、健康づくりのための水準です。成人で、歩行と同等以上の身体活動を1日60分以上、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、そして筋力トレーニングを週2〜3日。

このガイドは性機能について述べたものではありません。ですから、運動で性欲が上がると公的に保証されているわけではないという前提は持っておいてください。

逆に言えば、この水準を超えて追い込む理由も、性の面から見ればありません。

効かない場合に疑うもの

数か月続けても変化がないなら、原因は別のところにあります。

  • 睡眠時間そのものが足りていない(運動しても回復が追いつかない)
  • 薬の影響(一部の抗うつ薬、ピル、降圧薬など)
  • ホルモンの変化(産後、授乳中、更年期)
  • 慢性的な痛みや不調
  • 関係そのものの問題

最後の項目は運動では絶対に動きません。原因の切り分けは性欲がなくなったと感じたら、長い関係での変化は長く一緒にいると欲情しなくなるのかにまとめています。相手といるときだけ欲求が起きないなら、それは体の話ではありません

やりすぎは逆に働く

もう一つ大事な点があります。運動量を増やせば増やすほど良い、という関係ではありません。

食事が追いつかないほど運動量を増やすと、体はエネルギーを節約し、生殖に関わる働きを後回しにします。生理の乱れ、強い疲労、冷え、そして性欲の低下が同時に出ます。

戻すつもりで始めた運動で、さらに落ちるという逆転はよく起きます。週の頻度と食事量を見直してください。詳しくは鍛えるほど性欲が落ちる減量中に性欲が落ちる理由で扱っています。

変化の順番

実際に変化を感じた人の話を並べると、順番にある程度の共通点があります。

  • 最初に変わるのは眠りの質(数週間)
  • 次に、日中の気分の落ち込みが減る
  • そのあとで、体の見え方に対する自己評価が変わる
  • 性の面での変化は、いちばん最後に来る

性欲は先行指標ではなく、遅行指標です。だから、最初の数週間で変化がないことを理由にやめてしまうと、いちばん見たかったものに届きません。

判定するなら3か月単位で見てください。

続ける条件

続かなければ何も起きません。続いた人の条件は、だいたい次のとおりです。

  • 週2〜3回に固定している
  • 体重や見た目を主な目標にしていない
  • 行けなかった週を失敗として数えない
  • 通う場所が近い

最後の条件を軽く見ないでください。距離は意志より強い。片道30分の施設より、家で15分の自重の運動のほうが続きます

性の面への変化は、続いた先に付いてくるおまけとして置いておくくらいが、結果的にちょうどよい距離感です。

よくある質問

運動すれば性欲は上がりますか?

上がると保証できるものではありません。運動が睡眠・気分・血流・自分の体への意識に影響することは知られており、その結果として変化を感じる人がいる、という順序で理解するのが正確です。

どのくらいの運動量が適切ですか?

厚生労働省のガイドでは、成人に対して歩行と同等以上の身体活動を1日60分以上、息が弾む程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日と示しています。まずはこの範囲を目標にしてください。

運動しても変化がありません。

原因が別のところにある可能性があります。睡眠不足、薬の影響、ホルモンの変化、関係の問題は運動では動きません。数か月続けて変化がないなら、原因を分けて考えてください。

参考・出典