腰痛でセックスがつらい|受診の目安と、負担の逃がし方
痛いから避ける、避けるから距離ができる。腰痛が関係に効いてくる前に、確かめることと、その場でできる工夫を分けて整理します。
この記事は一般的な情報提供であり、診断・治療にあたるものではありません。痛み・出血・発熱・強い不安など気になる症状があるときは、自己判断せず婦人科を受診してください。
腰が痛いと、性的な場面はまるごと億劫になります。痛みそのものだけでなく、途中で痛くなるかもしれないという不安が、始める前から働くからです。
そして避ける回数が増えると、理由が伝わっていない相手には別の意味で届きます。痛みの問題が、関係の問題に化けるのはこの経路です。
まず、受診が必要な腰痛かどうか
日本整形外科学会は、腰痛について次のような場合はすみやかに整形外科を受診するよう示しています。
- 安静にしていても痛みが軽くならない
- しだいに悪化する
- 発熱している
- 下肢がしびれたり力が入らない
- 尿もれがする
これらに当てはまるなら、体位の工夫より先に受診です。放置したり自分で管理したりすることは勧められていません。
腰の痛みには、脊柱そのものに由来するもののほか、血管や泌尿器の病気など、腰以外に原因があるものも含まれます。自己判断で施術を受け続けると、こうした原因が見落とされます。消費者庁も、持病がある人は施術の前に医師に相談するよう呼びかけています。
負担を逃がす具体策
受診で問題がないと分かったうえでの工夫です。選び方の原則は体位を無理のなさで選ぶにまとめています。原則は一つ、腰を反らせない。
| つらい姿勢 | 逃がし方 |
|---|---|
| 腰を反らせて支える姿勢 | 腰の下にクッション、または膝を立てる |
| 上半身で体重を支える姿勢 | 肘をつく、体重を相手に預ける |
| 立ったままの姿勢 | 壁や家具に背中を預ける |
| 長く同じ姿勢 | 途中で入れ替える前提にしておく |
横向きで向かい合う姿勢は、腰への負担が少なく、途中で止まりやすいという利点があります。止まりやすさは、痛みを抱えている側にとって大きな条件です。
そのほか、次の点も効きます。
- 冷えているときは避ける(先に温める)
- 時間を区切る(長さより中断のしやすさ)
- 痛くなったら止める、を先に合意しておく
- 終わったあとに姿勢を戻す時間を取る
痛みを我慢して続けない理由
がんばって続けると、次の回に体が身構えます。痛みの記憶があると、始まる前から筋肉に力が入り、余計に痛くなる。この輪に入ると、腰が治っても性の場面だけ苦手が残ります。
だから、痛みが出た時点で止めるほうが、長い目では回数が増えます。中断は失敗ではありません。
伝え方を決めておく
痛みで断ることが続くと、相手は理由を推測します。その推測が「自分に魅力がない」「もう好きではない」に向かうと、話がこじれます。
先に、二人で言葉を決めておいてください。断り方そのものは断り方の技術が使えます。
- 「腰にきてるから今日は無理」
- 「この姿勢だとつらいから、こっちにしたい」
- 「途中で止めるかもしれないけど、あなたのせいじゃない」
3つ目を一度伝えておくだけで、中断したときの空気がまったく変わります。説明は、痛みが出る前にしておくものです。
痛みの管理と、関係の管理は別
最後に切り分けを。腰痛の治療は医療の領域、負担の逃がし方は工夫の領域、そして関係の維持は言葉の領域です。
このうち一つを解決しても、他は残ります。同時に手をつける必要はありませんが、どれか一つで全部が片づくと思わないほうが、遠回りを避けられます。
よくある質問
腰痛のとき、行為は控えるべきですか?
一律に控える必要はありません。ただし痛みが強い時期に無理をすると悪化します。姿勢を変える、時間を短くする、支えを使うといった調整をしてください。安静にしていても痛む場合は受診が先です。
マッサージや整体で治りますか?
楽に感じることはありますが、原因によっては適切ではありません。安静にしても軽くならない、悪化する、発熱、脚のしびれや脱力、尿もれを伴う場合は、施術ではなく整形外科の受診が必要です。
相手にどう説明すればいいですか?
断る理由を「気分ではない」ではなく「この姿勢だと腰にくる」と体の話にしてください。原因が明確なら、相手は拒絶として受け取りにくくなります。