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からだと反応のしくみ

骨盤底筋は締めるだけではない|ゆるめる側の話

締めるトレーニングばかりが広まっていますが、力が抜けないことで困っている人もいます。ピラティスで扱う呼吸と骨盤底の関係を整理します。

この記事は一般的な情報提供であり、診断・治療にあたるものではありません。痛み・出血・発熱・強い不安など気になる症状があるときは、自己判断せず婦人科を受診してください。

骨盤底筋という言葉は、この数年でよく見かけるようになりました。ただ、広まったのは締める話ばかりです。

締めれば締めるほど良い、という理解のまま続けると、うまくいかない人が出ます。ピラティスの現場で扱われているのは、締める力より、締めたあとに戻せるかどうかのほうです。

締まりっぱなしという状態

骨盤底の筋肉も、他の筋肉と同じで、力を入れる能力と、抜く能力の両方が必要です。

肩に力が入りっぱなしの人が肩こりになるのと同じで、骨盤底が常に緊張している状態もあります。この状態にいるとき、次のようなことが起きます。

  • 挿入時に痛い、または入りにくい
  • 尿の勢いが弱い、残った感じがする
  • 座っていると下腹部が重い
  • 締める練習をすると、かえって違和感が強くなる

このとき必要なのは、締める回数を増やすことではありません。締める側の基本は骨盤底筋と感じやすさ、入口で止まってしまう状態は腟けいれんという状態を知るにまとめています。抜くほうの練習です。ここが逆になっている人がかなりいます。

呼吸と連動させる

ピラティスで骨盤底を扱うとき、単独で締めさせることはあまりしません。呼吸と組み合わせます。

呼吸骨盤底の状態意識すること
吸うゆるむ方向下がる感覚を邪魔しない
吐く締まる方向引き上げるように支える

この対応を体で覚えると、締めることと抜くことが別々の作業でなくなります。吸うたびにゆるむのが自然だと分かるだけでも、緊張しやすい人には収穫があります。

やり方は簡単です。あおむけで膝を立て、4つ数えて吸い、8つ数えて吐く。吐くときだけ軽く引き上げ、吸うときは何もしない。おなかとお尻に力が入っていないかを確認する。1日3分で足ります。

性の場面で何が変わるか

期待できることと、できないことを分けておきます。

期待できるのは、自分の意思でゆるめられるという感覚です。痛みへの不安から反射的に締まってしまうとき、そこに介入できる手段があるかどうかは大きな違いになります。

期待しないほうがいいのは、締まりの良し悪しで相手の満足度が決まるという発想です。この文脈で語られる情報には根拠のないものが多く、多くの場合は不安を売っているだけです。自分が痛くないこと、自分が感じられることを基準にしてください。

産後と、年齢による変化

出産のあとや、閉経前後の時期には、骨盤底の状態が変わります。それぞれ産後のからだと性更年期と性の変化で扱っています。尿もれや、下がってくる感じがある場合は、自己流の前に一度相談してください。

とくに、何かが下がってくる感覚がある場合は、締める練習だけで対応するべきではありません。診断がついてからのほうが、やるべきことがはっきりします。

続けるコツは、目標を下げること

この部位のトレーニングは、成果が目に見えません。回数を増やしても、鏡に変化は映らない。だから続かない。

歯みがきのついでに10回くらいの位置づけにして、数か月単位で置いておくのがいちばん現実的です。強い動機で始めた人ほど、2週間で結果が出ないことに耐えられず、やめてしまいます。

よくある質問

締めるトレーニングをやりすぎると悪いのですか?

全員に悪いわけではありません。ただ、もともと力が抜けにくい人が締める練習だけを続けると、痛みや違和感が強くなることがあります。締めたあとに完全にゆるめられているかを毎回確かめてください。

正しく動かせているか自分でわかりますか?

わかりにくい部位です。おなかやお尻に力が入っていたら、目的の場所ではない可能性があります。尿を途中で止める動作は確認のたとえとして使われますが、排尿中に繰り返すのは勧められません。

効果が出るまでどのくらいかかりますか?

数週間から数か月単位で語られることが多く、すぐには変わりません。尿もれや強い違和感が続く場合は、自己流を続けるより婦人科や泌尿器科で相談したほうが早く進みます。

参考・出典