施術中に不快なことをされたら|言えなかった人のための整理
施術だと言われれば、どこまでが必要な範囲か判断できません。あとから思い返して気持ち悪くなった、という相談は実際に多くあります。
この記事は行為をすすめるものではありません。相手や第三者の同意がない行為、公共の場での行為は法律に触れる場合があります。空想と実行は切り分けて読んでください。
施術を受けているあいだは、うつ伏せだったり、目を閉じていたり、動きにくい姿勢でいます。相手は体の専門家として振る舞い、こちらは何が必要な手技なのかを知りません。
判断の材料を持たない側が、動けない姿勢でいる。この構造が、被害を言い出しにくくしています。
「気のせいかも」と思わされる仕組み
あとから振り返って不快だったと気づく人が多いのは、その場で判断できないからです。
- 治療のためだと説明された
- 触られた場所が、必要な範囲かどうかわからない
- 相手が淡々としていて、指摘するほうが変な気がした
- 自分が意識しすぎているのではと思った
これらはすべて、加害の側にとって都合よく働きます。判断できなかったことは、あなたの落ち度ではありません。
法律上の線
同意のない性的な接触は、刑法の不同意わいせつ罪に当たりうる行為です。令和5年の改正で規定が整理され、暴行や脅迫がなくても、同意しない意思を形成したり、表明したり、貫いたりすることが難しい状態を利用した場合が含まれるようになりました。
施術という場面は、まさにその状態が生じやすい場です。専門家として扱われる相手に対して、その場で異議を述べるのは容易ではありません。
また、隠して撮影する行為については、令和5年に成立した別の法律が扱っています。
その場と、あとでできること
その場で言えるなら、短い言葉で十分です。「そこはやめてください」「今日は終わりにします」。理由の説明は要りません。
言えなかった場合も、あとからできることがあります。
| やること | 目的 |
|---|---|
| 日時・施設名・担当者名を記録する | あとで確認できるようにする |
| 何をされたかを、覚えている範囲で書く | 記憶は時間とともに曖昧になる |
| 予約の履歴・支払いの記録を残す | 通っていた事実の裏づけ |
| 運営者に文書で伝える | 対応の記録を残す |
| 警察・相談窓口に相談する | 判断を一人で抱えない |
書き残すのは、告発するためだけではありません。自分の中で出来事を整理するためにも役立ちます。
相談先を分けて考える
目的によって窓口が違います。
- 行為そのものについて相談したい → 警察、またはワンストップ支援センター(短縮番号8891)
- 施設の対応を求めたい → 運営会社の窓口へ文書で
- 返金や契約の解除 → 消費生活センター
同時に進めても構いません。どれか一つを選ばなければならない決まりはありません。
通うのをやめてよい
改善を待つ必要はありません。契約が残っていても、行かない選択ができます。回数券や継続契約の扱いは消費生活センターで相談できます。
そして、この経験のあとで人に触れられるのが怖くなることがあります。回復の道すじはつらい記憶が性に影を落とすときで扱っています。それは自然な反応で、性の場面に影響することもあります。時間が経っても続くようなら、性暴力の相談窓口で扱える範囲です。内容の重さを自分で採点してから相談する必要はありません。
よくある質問
その場で拒否できませんでした。同意したことになりますか?
なりません。恐怖や驚きで動けなくなること、状況を理解するのに時間がかかることは知られています。刑法の不同意わいせつ罪でも、同意しない意思を形成・表明・全うすることが難しい状態が考慮されます。
施術として必要だったと言われたらどうすればいいですか?
必要性の説明は、事前にされるべきものです。同意をどう扱うかは[夫婦・恋人間の同意](/column/consent-in-couples/)も参考になります。下着の中に手を入れる、胸に触れるといった行為に事前の説明と同意がなかったなら、その説明は後付けです。判断に迷うなら第三者に相談してください。
どこに相談できますか?
施設の運営者と、警察が基本です。加えて、性犯罪・性暴力の相談は各都道府県のワンストップ支援センターがあり、全国共通の短縮番号8891でつながります。契約や返金のトラブルは消費生活センターです。