性交後に膀胱炎を繰り返す|原因と予防
行為のたびに膀胱炎になる。珍しくないパターンで、対処法もあります。我慢や回避で解決する前に読んでください。
この記事は一般的な情報提供であり、診断・治療にあたるものではありません。痛み・出血・発熱・強い不安など気になる症状があるときは、自己判断せず婦人科を受診してください。
行為のあと、決まって排尿時に痛みが出る、頻繁にトイレに行きたくなる、残尿感がある。これがくり返されると、行為そのものを避けるようになります。
このパターンは珍しくなく、名前もついています(ハネムーン膀胱炎と呼ばれることがあります)。そして、予防できる余地がかなりあります。
なぜ起きるのか
女性の尿道は短く、肛門との距離も近い構造になっています。そのため、腸内にいる菌が尿道の入口付近に移動し、そこから膀胱に入りやすい。
性行為の際には、この移動が物理的に起こりやすくなります。相手が不潔だから起きるわけではなく、多くは自分自身が持っている菌が原因とされます。ここを誤解していると、相手を責めることになり、しかも予防にもつながりません。
症状の目安
- 排尿時の痛み(特に終わりがけ)
- 頻繁な尿意
- 残尿感
- 尿の濁り、においの変化
- 下腹部の不快感
発熱・背中や腰の痛み・吐き気を伴う場合は、腎臓まで炎症が及んでいる可能性があります。 この場合は様子見をせず、早めに受診してください。
予防でできること
順番に効果が高いものから並べます。
行為の後に排尿する。 これが最も基本的で、効果が期待される対策です。尿道に入った菌を洗い流す狙いがあります。できれば30分以内を目安に。
水分を十分にとる。 尿量が増えると、それだけ洗い流されます。行為の前後に意識的に水を飲む習慣は有効です。
尿意を我慢しない。 膀胱内に長時間とどまるほど、菌が増える余地が生まれます。
潤滑を十分にする。 摩擦による尿道口周辺の刺激や小さな傷は、炎症の下地になります。潤滑剤の使用は、痛み対策だけでなく膀胱炎の予防にもつながります。
前から後ろへ拭く。 基本的なことですが、逆方向は菌を尿道側に運びます。
膣内洗浄をしない。 常在菌のバランスが崩れると、かえって感染しやすくなることがあります。
それでも繰り返すとき
対策をしても年に何度も繰り返す場合は、受診したうえで相談する価値があります。医療機関で検討されることがある対応として、
- 尿検査による原因菌の確認
- 繰り返す場合の予防的な処方の検討
- 閉経後であれば、粘膜の萎縮に対する治療の検討
- 泌尿器側に別の要因がないかの確認
「体質だから」で終わらせなくてよい領域です。特に閉経前後で頻度が増えた場合は、ホルモン環境の変化が背景にあることがあります。
やってはいけないこと
行為を避けることで解決しようとする。 短期的には症状が減りますが、根本的な対処になっておらず、関係に別の問題を生みます。
症状が出るたびに市販薬でしのぐ。 一時的に和らいでも、原因菌が残っていれば再燃します。繰り返すこと自体が、受診の理由です。
余っている抗菌薬を自己判断で飲む。 中途半端な使用は耐性菌の問題につながります。
相手に伝えること
原因が相手にあるわけではないので、責める形にする必要はありません。伝えるべきは実務的な内容だけです。
- 行為のあとにトイレに行くこと(すぐ寝ないこと)
- 潤滑を十分にとること
- 痛みが出たら中断すること
「終わったらすぐトイレに行く」という一点だけでも、共有しておく価値があります。
よくある質問
相手が不潔だからでしょうか。
そうとは限りません。多くは自分自身の腸内にいる菌が尿道に入ることで起きるとされ、相手の衛生状態だけの問題ではありません。
市販薬で治せますか?
症状を和らげる市販薬はありますが、原因菌に対する治療にはなりません。繰り返す場合や発熱を伴う場合は受診してください。
予防のために抗菌薬をもらえますか?
繰り返す場合に予防的な処方が検討されることがあります。自己判断で余った薬を使うのは避け、泌尿器科や婦人科で相談してください。