産後にピラティスを始めるなら|再開の順番を間違えない
体型を戻したい、尿もれを何とかしたい、性生活を再開したい。急ぐ気持ちは自然ですが、順番があります。焦って始めて悪化させないための整理です。
この記事は一般的な情報提供であり、診断・治療にあたるものではありません。痛み・出血・発熱・強い不安など気になる症状があるときは、自己判断せず婦人科を受診してください。
産後の体について調べると、体型を戻す情報が真っ先に出てきます。けれど実際に困っているのは、見た目より尿もれ・下腹部の重さ・行為の痛みであることが多い。
順番を間違えると、これらは長引きます。ここでは再開の順序を整理します。
最初にやることは運動ではない
産後の健診で経過を確認することが先です。傷の治り方、出血の状態、子宮の戻り方は自分では判断できません。帝王切開だった場合は、おなかの傷の内側の治り方も関係します。
運動の可否は、経過を見た人にしか判断できません。動画や本の「産後◯か月から」という数字は平均であって、自分の数字ではありません。
順番として妥当なもの
許可が出たあとの進め方は、次の順で考えると無理がありません。
| 段階 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 呼吸を戻す(息が浅い状態から抜ける) | 数分でよい |
| 2 | 骨盤底を意識する(締める・ゆるめるの両方) | 毎日少しずつ |
| 3 | 姿勢を戻す(抱っこで前に傾いた体を戻す) | 週に数回 |
| 4 | 全身を動かす(歩く、軽い運動) | 体調に合わせて |
| 5 | 負荷のあるトレーニング | 尿もれが落ち着いてから |
多くの人が1〜2を飛ばして4や5から入ります。その結果、尿もれが悪化することがあります。腹圧のかかる運動を、支える力が戻る前に始めるためです。
性生活の再開について
これも体だけの問題ではありません。関係する要素を並べると、次のようになります。
- 傷(会陰の傷や帝王切開の傷)の痛みと、痛むかもしれないという不安
- 授乳期のホルモンの変化に伴う乾き
- 慢性的な睡眠不足による欲求の低下
- また妊娠するかもしれないという不安
- 自分のからだが変わってしまったという感覚
このうち、乾きは潤滑ゼリーの選び方と使いどころで軽くできます。心の側も含めた全体像は産後のからだと性にまとめています。避妊については、授乳中でも妊娠する可能性があるため、産後の健診の場で相談しておいてください。授乳中は妊娠しないという理解は正確ではありません。
痛みが続く場合は我慢しないこと。傷の状態によっては診てもらう必要があります。
ピラティスが向いている理由と、向かない場面
産後にピラティスが勧められやすいのは、呼吸と骨盤底と姿勢を、負荷を選びながら扱えるからです。抱っこで前に傾いた姿勢を戻す作業とも相性がいい。
一方で、次の場合は先に相談してください。
- 立ったときに何かが下がってくる感じがある
- 咳やくしゃみでの尿もれが強い
- おなかの中心に縦の溝が残り、力を入れると盛り上がる
- 傷の周辺に痛みや熱がある
これらは自己流で進める段階ではありません。骨盤底の扱いは骨盤底筋は締めるだけではないも合わせて読んでください。産後の体は個人差が大きく、平均の話が当てはまらない領域です。
焦る気持ちの置き場所
早く元に戻したい気持ちは、多くの場合、体そのものより「自分が失われた感じ」から来ています。だから体型の数字に向かいやすい。
けれど実際に生活を楽にするのは、尿もれが減ること、腰が痛くないこと、痛みなく触れ合えることです。この3つを先に取り戻すほうが、結果として気持ちも早く戻ります。
よくある質問
産後どのくらいで運動を始めていいですか?
一律の日数では決まりません。分娩の経過や傷の状態、帝王切開かどうかで変わります。産後の健診で経過を確認し、担当の医師や助産師に運動の可否を確認してから始めてください。
尿もれは自然に治りますか?
時間とともに軽くなる人もいますが、続く場合は放置しないでください。骨盤底のトレーニングで改善することがあり、状態によっては治療の対象になります。産後半年たっても続くなら相談してください。
性生活の再開が怖いのですが、体の問題ですか?
体と心の両方が関係します。傷の痛み、乾き、睡眠不足、そして再び妊娠することへの不安が重なります。どれか一つの問題として扱わないほうが解決が早くなります。