集中するという視点|マインドフルネスの応用
気が散って集中できないという悩みへ。評価する意識をどう外すか、注意の置き場所をどう決めるかを、実際の手順として整理します。
気が散って集中できない、という悩みは非常によく見かけます。そして多くの場合、対策として「もっと集中しよう」が選ばれ、うまくいきません。
集中しようとする意識は、集中できているかを確認し始めます。 ここが行き詰まりの正体です。マインドフルネスと呼ばれる考え方は、ちょうどこの部分を扱っています。
気が散るのは普通のこと
まず前提を置き換えます。注意がそれるのは失敗ではありません。
- 予定や心配ごとが浮かぶのは、頭が正常に働いている証拠です
- そらさないようにするほど、そのことを考えます
- 完全に無になる状態を目指すものではありません
目指すのは、それないことではなく、戻れることです。
マインドフルネスが指しているもの
言葉が広まりすぎて曖昧になっていますが、中身は単純です。
- 今この瞬間に起きていることに注意を向ける
- それをよい・悪いで評価しない
- 注意がそれたら、気づいて戻す
この三つだけです。二つ目の評価しないという部分が、いちばん効きます。
もともとは注意の扱い方を整える方法として広まったもので、性の場面に限った話ではありません。集中が続かない、考えごとが割り込むという困りごとは領域をまたいで共通しているので、そのまま持ち込めます。
呼吸を使った具体的なやり方はヨガの呼吸を寝室に持ち込む方法にまとめています。
評価する意識が邪魔をする
一人の時間に起こりがちな評価は、だいたい次の形です。
| 評価の形 | 起きること |
|---|---|
| 気持ちよくなれているか | 感覚から意識が離れる |
| まだ達しないのか | 時間を測り始める |
| こんなことをしていていいのか | 罪悪感で身体が固くなる |
| 前より鈍っていないか | 過去との比較が始まる |
どれも、注意を身体の外へ引っ張ります。観察している間は、感覚の側に注意が残りません。
罪悪感そのものの扱い方はセルフプレジャーの基礎に書きました。
注意の置き場所を一つ決める
評価をやめようとするより、置き場所を用意するほうが確実です。候補は次のとおりです。
- 息を吐くときの感覚
- 触れている一点の温度
- 布や寝具が肌に当たっている感触
- 部屋の音、あるいは無音
一つに絞るほど、ほかの考えが入る余地が減ります。 複数を同時に意識しようとすると、切り替えの作業が始まって逆効果になります。
置き場所は、始める前に決めておくほうが確実です。途中で選ぼうとすると、選ぶ作業そのものが割り込みになります。今日はここ、と一つだけ決めてから始めてください。
力の抜き方そのものは呼吸と力の抜き方を参照してください。
それたときにすること
そのつど戻す。これだけです。
- それたことに気づく
- 責めない。気づいた時点で成立しています
- 決めた置き場所へ注意を返す
一回のうちに何十回それても、失敗ではありません。 戻す回数が多いほど、戻す動作そのものは早くなります。
向いていないと感じたとき
やってみて落ち着かない、かえって疲れる、という反応も起こります。
- 静かにするほど考えごとが増える人は、音や香りを足すほうが合うことがあります
- 眠気が強く出るなら、その日は眠ってかまいません
- つらい記憶が浮かぶ場合は、無理に続けないでください
続けられない方法は、その人に合っていないだけです。 意志の問題として引き受けないでください。環境を変えるほうが早いことのほうが、実際には多くあります。
よくある質問
集中しようとするほど気が散ります。
よくあることです。集中しようとする意識自体が、集中できているかの確認を始めるためです。確認をやめる代わりに、呼吸のような一つの対象に注意を置くほうが実際的です。
途中で考えごとが割り込みます。
割り込むのは普通の状態です。割り込まないようにするのではなく、気づいたら元に戻す。この戻す動作そのものが目的だと考えてください。
時間がないときはどうすればいいですか。
短くてかまいません。長さより、途中で評価が入らないことのほうが影響します。三分でも、注意が一つの場所にあれば十分に成立します。
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